●流れる電流が大きい程、流れる電流の周波数成分が高い程、配線幅を太くし、 配線抵抗及び、配線インダクタンスを小さくする。電流の周波数が高くなる程、配線の電圧降下が大きくなる(Z=ωL)。また、必要以上に、扱う信号のスルーレートを上げない。
距離が長くなったり、引き回したりしないようにする。
●電源対GNDにつけるコンデンサは、電源ラインの幅広い帯域で、 インピーダンスが落とせるよう、μオーダーのコンデンサと並列に、 小さい容量のセラコンを付けることも有効です。
●多層基板では上下のパターンでの飛び込みも有り得るので、デジタルGND層などは、 他の信号層に飛び込まないよう注意する。
●大きな電流や、パルス状の信号を扱う配線のループ面積は、出来るだけ最小にする。このループ面積が大きいと他の回路との誘導結合が発生し、ノイズを誘発させる原因や、放出、受信のアンテナになる可能性がある。
●1点接地は基本だが、高周波回路では1点接地すると配線が長くなる場合、 配線のインダクタンスが大きくなるので、 ベタGNDの方がよい場合がある。
●ベタGND・ベタ電源層にビアやスリットを入れる場合、 そのビアやスリットにより面積が、分割され、 ベタの効果が下がる場合があるので注意する。
●ベタGND・ベタ電源層に、あえてスリットを挿入し、 電流の方向を変えたり、分離することもできる。
プリント基板設計で一番重要なのは、やはり、電源及びGNDのインピーダンスを、 いかに下げることが出来るかと、大電流ライン、パルス信号ラインの影響を、 如何に抑えられるかです。ICのピン数が多くなった場合や、 同じ基板上に数多くのデバイスをマウントする必要がある場合は、 特に注意が必要です。数多くのデバイスが密集してくると、当然、空きスペースが少ないなど、 ここでもトレードオフが存在します。特性のよい基板を作成するためには、やはり、ここでも何を重点に考え、 何を重視するかを決め、地道にパターンを考えましょう。基板を侮るとあとで大変なことになります。
以上、5ページを使って、 プリント基板設計の基本的な注意点を簡単にまとめてみました。まだまだ、考慮すべき事柄はたくさんあるとは思います。各出版社より、出されているプリント基板設計や、基板ノイズ、EMI対策など、
基板設計関連の書籍は、多数あるため、 それらをたくさん読み、いろいろなケースを見て、 知識を広めていってください。
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作者が過去、基板レイアウトを勉強する場合に役にたった書籍をいくつか紹介します。まだ読まれていない方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか? |
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