3、ICの電源対GNDに付けるコンデンサは、ICのすぐ近くに置く ICの電源対GNDに付けるコンデンサの役割は、いろいろありますが、 いくつか例を挙げると、バイパスコン的役割、デカップリング的役割があります。バイパスコン的役割は、
ICの電源に入ってくる電源ラインのリップルを除去し、 ICを安定に動作させることや、 でカップリング的役割は、 IC内部の瞬時的な過渡電流を供給し、
電源ラインの変動を抑えるなどがあります。
ICのすぐ近くに、電解コンデンサを設置した場合、 ICに必要な瞬時大電流をこのコンデンサから供給できます。もしこのコンデンサがない場合、大電流Ioは電源から
配線のインピーダンスZを通して流れてくるため、 ICの電源電圧は元の電源に対してΔV=Io×Zの電圧降下が発生してしまいます。その場合、大電流が流れるタイミングでICの電源電圧が下がってしまい、
電源ラインが大きく振れることになります。
また、配線インダクタンスも同様です。配線インダクタンスの影響で、電流の流れが止まったとき、 インダクタンス成分の影響で、電流を流し続けようとするため、 逆起電力が発生し、ノイズの原因になります。上記影響がある場合など、ICへの供給電源が安定しないとICの動作も安定しにくいため、 この影響は避けたいものです。
以上より、ICの電源対GNDにつけるコンデンサへの配線は、 ICのすぐ近くに配置し、そこから瞬時大電流を供給し、 電源ラインをできるだけ揺らさないようにしたいものです。
今回までのポイント プリント基板設計で重要なのは、
●電源及びGNDのインピーダンスをいかに下げることが出来るか。
●大電流ラインによる影響をいかに抑えられるかです。
これ以外にもいろいろありますが、やはりこれが基本だと考えます。ICのピン数が多い場合や、同じ基板上に数多くのデバイスをマウントする必要がある場合、
特に注意が必要です。数多くのデバイスが密集してくると空きスペースが少ないなど、 ここでもトレードオフが存在します。そのため、どの特性を重視するかをはじめに考え、
じっくりパターンを考えたいものです。
次のページ、プリント基板設計の基本的な考え方へ
戻る
このサイトの内容は趣味で勉強してきたことを応用し、綴っているページです。一般的なことを書いているつもりであり、広告などございますが、あくまで趣味で作っているサイトです。また、特許や商標などは十分調査できていません。また、そういった権利を侵害するつもりもございませんので、万が一そういった場合は削除させていただきますので連絡いただきたいです。また、本ページの内容は実際の動作などを保証するものではございません。使っているツールなども趣味の範囲で使っているため、商用などで利用する場合は注意していただきたいです。また、参考文献などはリンクで表示させていただいております。上記内容につきましては、あらかじめご了承ください。