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PCB layout:プリント基板レイアウトの基本について1

IC、チップ、レイアウト設計の重要性について LSI、半導体回路、集積回路において、ICを設計通り、きちんと動作させるために 3つの重要な事柄があります。それは、

1、回路設計
2、チップレイアウト
3、プリント基板設計 です。


今回は、その中の3つ目、プリント基板設計に関して 注意すべきことや、基本的なことを簡単にまとめてみたいと思います。











Contents:解説1、プリント基板のレイアウト設計

セット機器の中には、電子回路基板があり、この電子基板上でICを動作させます。従って正常に電子機器を動作させるためには、 この電子基板すなわち、プリント基板設計が非常に重要になります。どんなに素晴らしいICを設計したとしても、 このプリント基板設計がきちんと出来ていなければ、 セット機器は設計通り正常に動作しません。また、IC設計者にとっても実際に設計したICを評価する段階で、 プリント基板を使用する場合が多く、その場合、 ICを実装し、動かそうとしたとき、うまく動かない場合、 設計したICが悪いのか、それともプリント基板が悪いのかが分からなくなり、 最悪の場合、プリント基板が悪いのにICを修正することになりかねません。従って、セット設計者だけでなく、 IC設計者もこのプリント基板設計をきちんと設計出来なければいけません。
実際、セットを設計している人ですら、セット基板で問題が起こった時、 プリント基板の引き回し等のパターン設計が悪いのに ICが悪い、ノイズに弱いICだと言ったりする例もあるくらいです。

以上の理由より、ここではプリント基板についての基本事項について 簡単にまとめてみたいと思います。




Contents:解説2、プリント基板のレイアウト

実際に、プリント基板設計に関しては、要求される内容や、精度、条件などにより、 それぞれ設計していかなければいけません。大電流を扱うアプリケーションと高周波を扱うアプリケーションでは、 それぞれ要求されることも違ってきます。そのため、求められる要求にしたがって、基板を設計する必要があります。ここでは、特別な要求は別として、基本的な考え方について いくつかトピックスを挙げてみたいと思います。

1、共通インピーダンスを低減する。
2、配線は、太く短く。
3、ICの電源対GNDにつけるコンデンサはICの近くに 順番にみていきましょう。

1、共通インピーダンスの影響を低減する
配線に電流が流れると配線のインピーダンスと流れる電流で電圧降下が生じます。
通常、電源からあるデバイスに大電流が流れる場合、 電源から回路を通り、そのあとGNDへと戻っていきます。つまり、この電流は必ず電源ライン、GNDラインを流れます。例えば、GNDラインについて考えてみると、 この大電流が流れるGNDと他のデバイスのGNDが共通の場合、 この大電流とGNDのインピーダンスの電圧降下により、 他のデバイスのGNDが持ち上がり、他のデバイスに影響を与えます。下図に一例を示します。



Fig.1-1 GNDライン共通の影響大

上図Fig.1-1、他のブロックから大電流Ioが流れてきた場合を考えます。配線のインピーダンスをZとします。上手Fig.1-1は、二つのZがあり、右側のZは、動かしたいICからGNDまでのZです。また、左側のZは他のICなど部品のGNDにつながっているZです。
この場合、基準となるGNDに対してICのGNDは、 ΔV=Z×Ioの電圧上昇が発生してしまいます。つまり、ICのGNDのポイントで見たとき、右側の基準GND点に対し、 ΔVの誤差電圧が発生してしまいます。もしこのIo がある一定周期を持ったパルス状の瞬時電流ならば、 そのタイミングの時のみ電圧上昇や降下が起こり、 大元の基準GNDから見た、ICのGNDは、揺れてしまいます。つまり、大電流とインピーダンスによる電圧降下上昇の影響で、 他のデバイスの基準を動かしてしまうことになります。








Contents:解説3、 プリント基板のレイアウト設計について

次に、違う配線の例を見てみましょう。



Fig.1-2 GNDライン共通の影響小

上図Fig.1-2の右側の例は、先程の左側で流していた大電流ラインと、ICのGNDを独立に配線した場合です。この場合、基準GNDに対して、ICのGNDには大電流Ioは流れてこないため、 ICのGNDは、他のブロックからの大電流Io の影響は受けません。以上の理由から、プリント基板状でGND配線を引く場合、 各ICや、素子のGNDラインは、共通インピーダンスの影響を低減するため、 干渉させないよう、出来るだけ独立に配線にし、一点で接地したいところです。この現象は、GNDだけでなく、電源や他の配線についても同じことが起こり得ますので、 注意してください。





Contents:今回のポイント

今回は、プリント基板設計の重要性と基本を考えてみましたが、 一番重要なことは、如何に最適な配置を行い、対称性を確保すると共に 如何に無駄な面積を削減し、配線を上手く行なえるかということです。そのためにも配置における優先順位、つまり、何に重点に置きたいか、をまず考え、レイアウトを行うのがよいのではないでしょうか?。

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