Fig.1 基本コンパレータの記号
<解説>
Fig.2 コンパレータの切り替わり動作
コンパレータ回路は記号で表すと、Fig.1のような回路記号で書かれることが多いですが、 この回路記号の意味は、
Vin+がVin-より高い電圧の場合、VoutはHとなり、
Vin-がVin+より高い場合、VoutはLになるのが一般的です。
基本的な動作を波形で示すと、上記Fig.2から分かるように、
切替わりポイントより左側では、Vin-がVin+より高くVoutはLレベル
切替わりポイントより右側では、Vin+がVin-より高くVoutはHレベル
となっています。
このコンパレータ回路を用いることにより、
アナログ入力信号をH or Lレベルのデジタル信号に変換することができます。
以上より、例えば、Vin-に2.5Vを印加した状態で、Vin+にモニターしたい信号を接続しておきます。Vin+信号が2.5Vを越えたとき、出力はLからHに切り替わります。これがコンパレータ回路の基本的な使い方です。
また実際に信号を検出する場合、ノイズやチャタリングなど誤動作を防止するためにヒステリシスを設けることも可能です。その場合は、ヒステリシスコンパレータなどと呼ばれます。この場合、切り替わりポイントは、ヒステリシスを付けている分ズレますが、それが許容できるなら、誤動作防止に非常に役に立ちます。
次に、コンパレータ回路の基本的な特性と注意点をまとめてみましょう。
●オープンループ ゲイン
●入出力 伝搬時間
●入力オフセット電圧
●入力動作範囲
ノイズの影響
Fig.1 基本コンパレータの記号
<解説>
Fig.3 基本的なコンパレータ回路の例、回路図
では次に、Fig.1の三角記号の内部回路を覗いてみましょう。実にさまざまな構成が可能ですが、勉強のため分かりやすい上記回路を考えてみましょう。
MOSを使った最も簡単なコンパレータの基本回路例をFig.3に示します。
基本回路構成は、Fig.3のように二つの入力電圧を比較するために、差動対が用いられることが多いです。そして、差動対とカレントミラーなど能動負荷を使って、シングルエンド変換し、Vout出力するのが基本です。入力差動対、出力ソース接地(エミッタ接地)形式になっていれば、基本的にはさまざまな回路構成が可能です。NPN、PNP、NchでもPchでも構成が可能です。
では、この基本回路図の動作について考えていきましょう。
以上の結果より、上記Fig.3の基本回路構成で、入力信号Vin+、Vin-のどちらが高いか、低いかをコンパレートできます。Fig.3は最も簡単な回路構成を紹介しました。コンパレータ専用ICを使う場合は別ですが、もし実際に、トランジスタや半導体回路でコンパレータを作る場合、コンパレータ回路はさまざまな回路構成が出来ます。目的に応じて最適な回路構成を選択したいところです。
回路構成を考える上で、考えるべきことは、要求される仕様に応じて異なります。
例えば、コンパレータの特性上、更にゲインを上げたい、オフセットを小さくしたい、各ノードのインピーダンスを上げたい、周波数特性を改善するために、各ノードのインピーダンスを下げたいなど、いくつかのパラメータについて設計することが可能です。
1、入力形式
2、速度
3、コンパレータ回路とオペアンプの違い
今回は、コンパレータ回路の基本的な構成方法と内部回路の選定方法を考えてみました。まずは、基本構成、特徴を理解し、応用できるようにしていきたいところです。コンパレータ回路ひとつを考えた場合でも、やはり重要なのは、差動対回路や、エミッタ接地、ソース接地回路、カレントミラー回路など、基本回路の組み合わせにより成り立つので、そういった基本回路を十分理解し、使えるように勉強していきましょう。
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