接地方式 | 入力インピーダンス | 出力インピーダンス |
エミッタ接地回路 | 高い | 高い |
エミッタフォロア (コレクタ接地回路) |
高い | 低い |
ベース接地回路 | 低い | 高い |
ではここで、エミッタフォロア回路の主な特徴を整理しておきましょう。
エミッタフォロア回路の特徴 |
入出力ゲインは、限りなく1倍に近い値 |
入力インピーダンスは高い |
出力インピーダンスは低い |
回路と回路を結合するバッファとして使える |
では次に、もう少し詳細をみていきます。
Fig.2 エミッタフォロア回路
(コレクタ接地回路)
エミッタフォロア回路の基本的な回路構成をFig.2に示します。入力VINは、トランジスタのベースで、出力VOUTは、トランジスタのエミッタ側から取り出します。エミッタ端子には通常、抵抗や定電流回路などバイアス回路が付加されます。今回は、一般化して、Zとおいています。コレクタ端子が電源電圧にAC接地されているので、別名コレクタ接地回路と呼びます。
動作は簡単です。
前節で説明したように、トランジスタがオンし、コレクタ電流やエミッタ電流が流れている状態では、ベース端子からエミッタ端子間の電圧は約0.6V程度になります。エミッタフォロア回路でも同じです。VINに約0.6V以上の電圧が与えられている場合、
VOUT端子には、ベース端子に印加した電圧から約0.6V(1Vbe)下がった電圧が出力されます。これがエミッタフォロア回路の基本動作です。入力信号に追従するように出力電圧が出力されます。
確認のためにシミュレーションでみてみましょう。
(a)回路
(b)シミュレーション結果
Fig.3 基本エミッタフォロア回路Sim
(VCC=5V、Vin:0v〜5VでDCSweep)
Fig.3のシミュレーション結果は、青色がVIN、赤色がVOUTです。VINに対して出力信号は約0.6V下がった電圧で追従しています。これがエミッタフォロア回路のDC動作です。
<動作条件>
入力信号 入力信号が約0.6V以上で動作します。
理由⇒トランジスタは約0.6V以下では、カットオフしエミッタ電流を流さないからです出力信号 VCC電圧より約0.6V下がった電圧になります。
Fig.3の場合は約4.4Vまでしか出力出来ません
理由⇒回路的にVout≒Vin-1Vbe(約0.6V)の関係になるからです
あと、この回路を使う上での注意点としては、エミッタフォロア回路として使うトランジスタは、飽和(sat)しないということです。なぜなら、エミッタフォロア回路を駆動する前段回路があるため、ベース端子の電圧がコレクタ端子の電圧より高くなることはないからです。仮にベース端子の電圧=電源電圧になったとしてもその場合ダイオード接続と同じです。ただし、もしベース端子の電圧が電源電圧より高くなった場合は、条件によっては、飽和(sat)するかもしれません。出力段で用いられる場合なの、このような用途で使用する場合もあります。以上がエミッタフォロア回路の基本的なDC入出力特性の考え方です。
以上、今回は、エミッタフォロア回路の基礎について簡単にまとめてみました。この回路は、オペアンプ回路の出力や、バッファ回路など、さまざまな増幅器の中で用いられますので、しっかりイメージできるようにしましょう。
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