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Transistor Circuits:トランジスタ回路の基本1







LSI、半導体回路、集積回路において、現在では、Bi-CMOSプロセスが中心となり、デジタル、アナログ回路が混在した半導体製品や、IC、集積回路が主流になってきていますが、やはり、バイポーラトランジスタ回路を使った高精度アナログ回路など、NPN、PNPトランジスタを使ったバイポーラ回路は、とても重要です。そのため、ここでは、トランジスタ回路の、設計について、基本的な事柄を勉強していきたいと思います。

今回は、手始めに、トランジスタとは、何か?を中心に、基本的な内容をまとめていきます。










Contents:解説1、 トランジスタとは?

トランジスタとは、 トランジスタとはどのような素子でしょか?



(A) NPNトランジスタ



(B)PNPトランジスタ
Fig.1 基本トランジスタ素子記号


トランジスタはベース・エミッタ・コレクタと呼ばれる3つの端子で構成されています。トランジスタにはFig.1のような2種類のタイプがあり、それぞれNPNトラジスタとPNPトランジスタです。詳しい構造などは専門書を読んでいただくとして、簡単な動作イメージを掴んでいきましょう。


2、トランジスタの特徴

次に、トランジスタで構成出来る、基本的な回路構成について考えていきます。トランジスタ回路は基本的にはどの端子を接地にとるかによって、回路構成を分類することができます。以下のFig.2の、3種類の接地形式がトランジスタ回路構成の基礎となります。Fig.2中のZは一般的な負荷を示します。抵抗でも回路がつながっても構いません。



(A) エミッタ接地回路 (B)コレクタ接地回路 (C)ベース接地回路
Fig.2 基本トランジスタ接地回路(NPNトランジスタを使用した例)

この接地回路の見分け方と分類ですが、どの端子が接地されているかで分かります。
接地とは、ある基準電位にその回路の基準を置くことです。通常GNDは、最低電位におきます(マイナス電源など例外もあり)。AC接地とは、電源電圧など、AC的に変化しない電圧であれば、 AC的接地と考えることができます。例えば、エミッタ接地回路では、エミッタが接地されており、 コレクタ接地は、コレクタが電源に接地(AC的に)という具合です。




Contents:解説2、 トランジスタ回路の基本的は動作イメージ

次に、トランジスタで構成出来る、基本的な回路構成について考えていきます



(A) エミッタ接地回路 (B)コレクタ接地回路 (C)ベース接地回路
Fig.3 基本トランジスタ接地回路(NPNトランジスタを使用した例)

1)エミッタ接地回路の動作イメージ
VINに電圧を印加します。すると、Vbe=約0.6〜0.7V(プロセスによる)を超えると、 トランジスタは、オンします。オンすれば、トランジスタのコレクタは、 電流を流すため、コレクタ電流が流れ、負荷Zにコレクタ電流が流れます。VOUTは、電源電圧から、コレクタ電流×負荷Zの電圧降下を、差し引いた電位になります。つまり、VINに電圧が掛かると、トランジスタはオンし、負荷に電流が流れ、トランジスタが動作します。
この動作を応用すると、エミッタ接地回路は、増幅器、スイッチなどの用途に使えます。詳しくは別のページで説明します。





(A) エミッタ接地回路 (B)コレクタ接地回路 (C)ベース接地回路
Fig.4 基本トランジスタ接地回路(NPNトランジスタを使用した例)

2)コレクタ接地回路(エミッタフォロア回路)の動作イメージ
VINに電圧を印加します。すると、トランジスタは、 Vbe=約0.6〜0.7V(プロセスによる)を超えると、オンします。例えば、この回路でVIN=3Vが印加されていたとすると、トランジスタがオンしている場合、ベース・エミッタ間は、 約0.6〜0.7V(プロセスによる)になるため、 VOUTは、その電圧を差し引きした約2.4Vが出力されます。つまり、VINの電圧から、Vbe電圧を差し引いた電圧が出力されるイメージです。そのため、別名、エミッタフォロア回路と呼ばれています。この動作を応用すると、コレクタ接地回路は、 電圧レベルを変えたいときのレベルシフタや、 電流能力を持たせたい場合のバッファ回路などに使えます。詳細は、別のページで説明します。








Contents:解説3、 飽和状態2




(A) エミッタ接地回路 (B)コレクタ接地回路 (C)ベース接地回路
Fig.5 基本トランジスタ接地回路(NPNトランジスタを使用した例)

3)ベース接地回路の動作イメージ
ベース端子に電圧が印加されている状態で、VINに電圧を印加します。ベース電圧より、Vbe=約0.6〜0.7V(プロセスによる)低い状態になると、 トランジスタは、オンします。トランジスタがオンすると、エミッタ電流が流れ、コレクタ電流も流れるため、 その電流と負荷Zで、電圧降下が発生し、 VOUTは、電源電圧から、コレクタ電流×負荷Zの電圧降下を、 差し引いた電位になります。この動作を応用すると、ベース接地回路は、 エミッタ側から電流(電圧)を印加し、動作させるため、 コレクタ・ベース間のミラー効果がないなど、周波数特性がよい用途の 増幅器として用いたり、トランジスタ回路を立て積みにして、 出力インピーダンスを上げたい用途などに使われます。
難しいことを書きましたが、詳細は、別のページで説明します。





Contents:今回のポイント

以上ここでは、エミッタ接地回路を中心に、3つの接地回路について紹介しました。それぞれの接地形式は、固有の特徴があるため、それらを組み合わせることにより、様々な電子回路が構成できます。詳細は、別のページで説明しますが、ここでは、3つの形式があり、どのような動作をするかのイメージを掴んでおいてください。

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