<作者流の考え方の例>
コンパレータ回路の電源電圧が1.8Vなので この回路を簡単に実現するためには1.8V以上の素子耐圧がある トランジスタを選択します。
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入力信号を基準電圧0.1Vで比較する必要があるので、
回路の入力部は差動対を選択します。
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また、入力信号が0v〜0.2vまで振れるので、 入力差動対の動作範囲は0v〜0.2vまでは最低限必要です。つまり、電源電圧1.8vに対し、入力信号は0vから動く
ここがポイントです。というわけで、 差動対はPNPトランジスタを使ったダーリントン構成を 選択したいところです。でも、今回は条件として PNPトランジスタ2個以内があるため
ダーリントン形式は使えません。それだけで4個PNPを使ってしまうからです。
では、PNPシングルの差動対で0から動く構成を考えます。
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例えば、PNP差動対をシングルにして抵抗で受ける形を選択します。これで差動対、入力段は決定しました。今のところ使った素子は PNPトランジスタ2個
抵抗1本です。
(差動対入力側は抵抗が無い形式にします。)
あと使える素子は NPNトランジスタ2個以内 抵抗2本以内です。出力段はエミッタ接地にせよという条件があったので 差動対の負荷抵抗をNPNトランジスタのベースで受け、
抵抗プルアップしたエミッタ接地にします。以上で完成です。
抵抗値や電流値は、その回路の許容回路電流値と 素子能力で決定していきます。
以上の考え方で組み立てた簡単な回路例は次のようになります。
(スピードなど、難しいことは考えていないので定数は任意の定数です。)
Fig.2 設計した回路例
NPNトランジスタ2個以内に対し1個 。
PNPトランジスタ2個以内に対し2個。
抵抗3本以内に対し2本 以上より要求は満たしました。
次にこの回路が要求仕様を満たすかシミュレーションで確認してみましょう。ただし、切り替わりが分かりやすいように入力0-0.2vパルスの立ち上がりと
立下りは若干なまらせています。
Fig.3 設計した回路のシミュレーション結果
Fig.4 要求仕様特性
Fig.3とFig.4を比較すると要求仕様を満たしていることが分かります。
以上、簡単な例を使って回路設計手順を考えてみましたが これ以外にもさまざまな方法で実現出来ますので、皆さんいろいろな形式を考えてみてください。
前回に続き、今回も、この手順を読んで分かると思いますが、 設計する場合、重要なのは、 如何に基本コンポーネントを理解し、使えるかということです。また、自分の中で、回路の引き出しを如何に多く持っているかということです。
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