本文へスキップ

アナログ回路を勉強する回路設計のホームページ:http://kaironohanashi.main.jp/index.htmlです。

Transistor Circuits:エミッタ接地回路の基本11

LSI、半導体回路、集積回路において、現在では、Bi-CMOSプロセスが中心となり、デジタル、アナログ回路が混在した半導体製品や、IC、集積回路が主流になってきていますが、やはり、バイポーラトランジスタ回路を使った高精度アナログ回路など、NPN、PNPトランジスタを使ったバイポーラ回路は、とても重要です。そのため、ここでは、トランジスタ回路の、設計について、基本的な事柄を勉強していきたいと思います。

今回は、エミッタ接地回路の回路のゲイン計算方法を一般化し、まとめていきます。










Contents:解説1、 エミッタ接地回路のゲイン計算方法について

今回は、エミッタ接地回路のゲインの計算方法について、分かりやく理解する方法を考えます。
どのように考えれば、複雑な回路も理解しやすくなるのでしょうか?



Fig.1 エミッタ接地回路

Fig.1のエミッタ接地回路を、エミッタ接地回路に付随する負荷Z1と、エミッタ接地回路の次段のインピーダンスZ2に分離し、各インピーダンスを考えます。この考え方が重要です。この負荷Z1とZ2に切り分ければ、等価回路を書かなくても直感的にゲインが求まるのです。このように考えると、上記回路のVoutにおける出力インピーダンスは、 トランジスタ単体のroを考慮すると、

Zout= (ro//Z1//Z2)となります。

そのときのゲインは

ゲイン:Av=Vout/Vin= - gm ×(ro//Z1//Z2)

で計算できます。

つまり、エミッタ接地回路のgmと、
その回路のVout点からGNDにつながるそれぞれの並列抵抗Z3を考え、
ゲイン= - gm×Z3で計算できます。




Contents:解説2、 エミッタ接地回路のゲイン計算方法について

では次に、もう少し詳細をみていきます。


(a)    



(b)        


(c)     

Fig.2 各種エミッタ接地回路

上記1で説明した方法の例をみていきます。
以下の(a)〜(c)の場合

(a)  Z1=抵抗  Z2はなし   
(b)  Z1=カレントミラー=ro(pnp)  Z2はなし           
(c)  Z1=ダイオード=re  Z2はなし

例えば、(c)のときは、

Gain=-gm(npn)×[ro(npn)//re] となります。

この切り分けが出来ると後は、別章で扱うインピーダンスの求め方を知っているだけで、たいていのエミッタ接地回路が直感的に計算できます。とはいってもZ1もZ2も多くの場合、以下の ro、re、ro(1+gmRE)、rπ、R、1/jωC のような値になることが多いです。






Contents:解説3、 エミッタ接地回路のゲインの計算方法について

以上より、ゲインを求める上で重要なことは、その回路の入力電圧により、出力電流が変化する部分のgmを求めることと、VoutからGNDにつながる素子の出力インピーダンスを求めることです。これらが分かれば、直感的にゲインは計算できそうです。




Contents:今回のポイント

以上、今回は、エミッタ接地回路のゲインの簡単な求め方を考えましたが、このような切り分け方を考えておくと、すべて等価回路を書かなくても、ある程度直感的に、回路の計算ができるようになります。上記では、イメージを書きましたが、このような回路の詳細計算過程を知りたい方は、

システムLSIのためのアナログ集積回路設計技術〈上〉

などが詳しいです。

戻る





このサイトの内容は趣味で勉強してきたことを応用し、綴っているページです。一般的なことを書いているつもりであり、広告などございますが、あくまで趣味で作っているサイトです。また、特許や商標などは十分調査できていません。また、そういった権利を侵害するつもりもございませんので、万が一そういった場合は削除させていただきますので連絡いただきたいです。また、本ページの内容は実際の動作などを保証するものではございません。使っているツールなども趣味の範囲で使っているため、商用などで利用する場合は注意していただきたいです。また、参考文献などはリンクで表示させていただいております。上記内容につきましては、あらかじめご了承ください。





作者が過去、トランジスタ回路を勉強する場合に、一番役にたった書籍と、簡単にシミュレーションができるようになった書籍を紹介します。まだ読まれていない方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか?



オススメ書籍ランキング













copyright©2006-2019 A story of Circuits  all rights reserved.