では次に、もう少し詳細をみていきます。
(a)
(b)
(c)
Fig.2 各種エミッタ接地回路
上記1で説明した方法の例をみていきます。
以下の(a)〜(c)の場合
(a) Z1=抵抗 Z2はなし
(b) Z1=カレントミラー=ro(pnp) Z2はなし
(c) Z1=ダイオード=re Z2はなし
例えば、(c)のときは、
Gain=-gm(npn)×[ro(npn)//re] となります。
この切り分けが出来ると後は、別章で扱うインピーダンスの求め方を知っているだけで、たいていのエミッタ接地回路が直感的に計算できます。とはいってもZ1もZ2も多くの場合、以下の
ro、re、ro(1+gmRE)、rπ、R、1/jωC のような値になることが多いです。
以上より、ゲインを求める上で重要なことは、その回路の入力電圧により、出力電流が変化する部分のgmを求めることと、VoutからGNDにつながる素子の出力インピーダンスを求めることです。これらが分かれば、直感的にゲインは計算できそうです。
以上、今回は、エミッタ接地回路のゲインの簡単な求め方を考えましたが、このような切り分け方を考えておくと、すべて等価回路を書かなくても、ある程度直感的に、回路の計算ができるようになります。上記では、イメージを書きましたが、このような回路の詳細計算過程を知りたい方は、
システムLSIのためのアナログ集積回路設計技術〈上〉
などが詳しいです。
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