ベース接地回路の特徴 |
ゲインは、エミッタ接地と同等、もしくは以上(形式による)、ただし入出力は反転しない |
ベース端子が基準電圧等、AC接地なので、入力インピーダンスが低い(≒1/gm) |
エミッタ接地回路等をカスコード接続することにより、周波数特性を改善し、ゲインを上げることができる。 |
素子をクランプする用途にも使える。 |
では次に、もう少し詳細をみていきましょう。
Fig.2 ベース接地回路
ベース接地回路の基本的な回路構成をFig.2に示します。入力VINは、トランジスタのエミッタで、出力VOUTは、トランジスタのコレクタ側から取り出します。コレクタ端子には通常、抵抗や定電流回路などが付加されます。今回は、一般化して、Zとおいています。ベース端子がバイアス電圧等にAC接地されているので、ベース接地回路と呼びます。動作は簡単です。ベース端子が、トランジスタがオンできる電圧にバイアスされている場合、
エミッタ側からの電流変化に対して、エミッタ電流=コレクタ電流+ベース電流のため、 コレクタ電流はエミッタ電流に従い、電流が変化します。そのため、エミッタ電流に従い、コレクタ電流が流れ、負荷Zで電圧変換され、出力電圧VOUTがでます。
次に、各パラメータについてみてみます。
●入力インピーダンス ベース端子がAC的に接地されている状態でエミッタ側から見たインピーダンスになるので、 等価的には、ほぼ1/gmという値になります。
すなわち、入力インピーダンスは、低いです。
●出力インピーダンス コレクタ端子側からみた出力インピーダンスは、エミッタ側に回路がつながるので、 エミッタ接地回路のエミッタ側に抵抗がある場合と同様、非常に高い傾向です。
●入出力ゲイン エミッタ入力からコレクタ出力をみた場合、電流ゲインは約1倍です。
ただし、コレクタの電流変化量とコレクタ側のインピーダンスにより、 電圧利得はエミッタ接地と同等です。ただし、入力に対し、出力は反転しません。
また、全体的な注意点としては、ベース端子にバイアスするバイアス電圧のAC的なインピーダンスを、 十分下げる必要があるということです。ベース端子に電流が流れた場合、ここのインピーダンスが高いと、
流れる電流とインピーダンスにより電圧降下が発生し、ベース電位が振れてしまう恐れがあります。
以上今回は、ベース接地回路の基礎について簡単にまとめてみました。この回路は、エミッタ接地回路や、エミッタフォロアほど使用頻度は高くないかもしれませんが、オペアンプ回路の増幅段や、クランプ回路などで用いられますので、しっかりイメージできるようにしましょう。
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