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Transistor Circuits:エミッタ接地回路の基本テクニック

LSI、半導体回路、集積回路において、現在では、Bi-CMOSプロセスが中心となり、デジタル、アナログ回路が混在した半導体製品や、IC、集積回路が主流になってきていますが、やはり、バイポーラトランジスタ回路を使った高精度アナログ回路など、NPN、PNPトランジスタを使ったバイポーラ回路は、とても重要です。そのため、ここでは、トランジスタ回路の、設計について、基本的な事柄を勉強していきたいと思います。

今回は、よく使われるエミッタ接地回路の使い方やテクニックを検討し、基本的な内容をまとめていきます。










Contents:解説1、 エミッタ接地回路におけるテクニックについて

回路を設計する時、仕様を満たすためには、様々な制限や問題に直面します。その時、何をどうすれば目的を達成出来るかをエミッタ接地回路を例に考えてみたいと思います。一般の書籍では単独の回路の解析方法は書いてあっても、それぞれの用途や、実際の回路でのテクニックはあまり書いていないことが多いです。理論は知っていても実際の設計では使えないということもありえます。今回は、いくつかのテクニックを簡単にまとめていきます。まずは、形式から、


(a)  回路

(b)  回路  

 (c)  回路

  (d)  回路                     

Fig.1 色々なエミッタ接地回路の形式







Contents:解説2、各接地回路の用途について

<エミッタ接地回路におけるできる技、メリット、デメリットのまとめ>

目的

選択回路

メリット

デメリット

増幅したい

-

-

-

ベース端子が外部に出ている場合等、ベースを保護したい

ベースに抵抗を挿入する

入力インピーダンス増大

Vbeに掛かる電圧が、Zbで分割され、gmが下がるため、
ゲインが下がる

入力インピーダンスを上げたい

ベースに抵抗を挿入する

入力インピーダンス増大

Vbeに掛かる電圧が、Zbで分割され、gmが下がるため、
ゲインが下がる

出力インピーダンスを上げたい

Zeを挿入することによりro(1+gmZe)に出来る

入力インピーダンス増大

Vbeに掛かる電圧が減少し
gm
が下がる

出力インピーダンスを下げたい

Ⅰ+エミッタフォロア

エミッタ接地
+エミッタフォロア

出力インピーダンス減少

回路規模増大

ゲインを上げたい

Ⅰ+ベース接地回路

エミッタ接地+ベース接地

gmはそのままで出力インピーダンス増大しゲイン上昇

回路規模大、出力L電圧上昇

ゲインを少し下げたい

ベースに抵抗を挿入

入力インピーダンス増大

特に問題ないが効果は低い

ゲインを下げたい

エミッタに抵抗を挿入する

入力インピーダンス増大

下側動作入力範囲の増大と
出力
L電圧上昇

出力切り替わり電圧のリニアの範囲を広げたい

エミッタに抵抗を挿入する

入力インピーダンス増大

出力L 電圧の増大と
ゲインの低下

 飽和しにくくしたい

 ベースに抵抗を挿入し、
ベース電流を制限する

 入力インピーダンス増大

 Vbeに掛かる電圧が減少しgmが下がりゲインが下がる


これ以外にもあるかもしれませんが、上記表に簡単にまとめてみました。ちょっとした味付けで、いろいろアレンジできます。




Contents:今回のポイント

以上、今回は、いろいろテクニックをまとめてみましたが、それぞれうまく使い分けるようにしたいところです。

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