用途 |
内容 |
高利得増幅器 |
gmはそのままで出力インピーダンスのみ増強した増幅器 |
高周波回路 |
Q1のミラー効果がなく周波数特性が向上する増幅器 |
定電流回路 |
電源電圧の変動を抑えたカレントミラー |
ここでこの回路のメリットを以下にまとめます。
●Q1のミラー効果がない
Q1のミラー効果は、Q1単体で考えたとき、ベース・コレクタ間の容量がQ1のゲイン倍されますが、Q1のコレクタ負荷はベース接地トランジスタQ2のエミッタとなる為、Q1のベースからQ1のコレクタ(Q2のエミッタ)への電圧ゲインはgm1×1/gm2となり約1倍なのです。このお陰でミラー効果は激減するのです。
●Q2のコレクタからQ1側を見たインピーダンスが高い
Q2はベース接地回路です。Q2のコレクタ側からQ1側を見たインピーダンスはroが約β倍された値になり、Q2のコレクタ側から見たインピーダンスは増大します。
ここまでの解説では、周波数特性もよく高利得で言うことなしの回路に思えますが、 実際この回路にも欠点があります。それは、カスコード(縦積み)しているため、VoutのL電圧が高くなるのと、リニア動作を行う動作範囲が狭いのです。電源電圧が十分大きな値の回路では問題はないのですが、低電圧動作になるとかなり不利です。
以上、今回は、カスコード接続回路に関して、考えてみましたが、注意点をまとめると、以下のようになります。
1、出力L電圧やリニア動作範囲に注意する。
2、Vbias電圧はいかなる状態においてもQ1を飽和させない。
3、カスコード接続をカレントミラーに応用すると電源電圧依存性を激減出来る。
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