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IC layout:IC、チップレイアウトの基本について

IC、チップ、レイアウト設計の重要性について LSI、半導体回路、集積回路において、ICを設計通り、きちんと動作させるために 3つの重要な事柄があります。それは、

1、回路設計
2、チップレイアウト
3、プリント基板設計 です。

今回は、その中の2つ目、ICのチップレイアウトに関して 注意すべきことや、基本的なことを簡単にまとめてみたいと思います。










Contents:解説1、ICのレイアウト

今回は、ICのチップレイアウトについて、いろいろ考えていきます。


路設計、シミュレーションなど、設計検証が終了すれば、 いよいよICチップのレイアウトです。チップのレイアウトが、うまくできなければ、 せっかく作った回路が設計通り動作し、狙い通りの特性が出せるかどうかは分かりません。なぜなら、回路図には見えてこない外的要因が存在するからです。


例えば、簡単な例を考えると、

●寄生容量、寄生抵抗、寄生インダクタンスなどです。回路図上の配線を考えてみた場合でも、 回路図やシミュレーションでは配線抵抗は基本的に0Ωです。ところが実際のレイアウトでは配線や、AL(アルミ)のインピーダンス、コンタクト、VIAのインピーダンスなど、さまざまな抵抗値が付加されます。

●トランジスタやMOS、抵抗を考えた場合でも同じです。シミュレーション上ではそれらは完全にペア性は同じと考えますが、 実際は素子の作りこみなど、ペアばらつきも生じます。従って回路図上と実際のレイアウトをできるだけ一致させる工夫が必要です。

以上の理由より、 半導体回路設計では回路図の設計や作成だけでなく、 実際の素子レベルでの配置や配線、つまり、CAD、レイアウト設計が重要です。





Contents:解説2、ICチップレイアウトについて

ロジックのレイアウトは、自動で配置、配線を行なうツールが多いです。その場合、遅延時間など合わせるように設定できるので、 便利ですが、アナログの場合は、面倒な場合が多いです。最近では、アナログレイアウトも自動配置ツールがEDAメーカー各社で
用意されているようですが、アナログレイアウトの場合はやはり、 自動化出来たとしてもペア性やシビアなラインの規定など、 制約事項が多いため難しくなりがちで、 技術者がきちんとフォローしていく必要があります。

ただし、ICのチップレイアウトについて、勉強したい場合、 実際にレイアウト関係を詳しく説明した日本語書籍は少ないのが実情です。いくつか思いつくものを紹介しておくと、

CMOSのレイアウトは、

アナログCMOS集積回路の設計 応用編
 のP.771から説明されています。

CMOSアナログIC回路の実務設計―PWM電源コントローラの開発に学ぶ (半導体シリーズ) のP.222から説明されています。

この本では、実際の回路図とレイアウトパターンが紹介されており、 基準電圧源や基準電流源、電圧レギュレータ、OPアンプ、 三角波発振器、PWMコンパレータなど、 各回路ブロックのレイアウト解説があります。その他、レイアウトの注意点も書かれているため、 一度チェックしてみてはいかがでしょうか? これ以外にもいろいろな書籍があると思いますので、 一度、チェックしてみてください。

また、ICのチップレイアウトについて考えたり、勉強するときに役立つのは、 プリント基板設計理論です。プリント基板設計の理論は、ICのチップレイアウトと考え方と通ずることが多く、 展開できる内容が多いです。ICのレイアウトで使える内容は、プリント基板でも使えます。もちろんその逆もそうです。ですので、切り離して考えるのではなく、 どう考えてよいかが、分からないとき、 同じような理論で考えると、ヒントが見つかるかもしれません。








Contents:解説3、 ICのレイアウト設計について

ICのレイアウト設計の面白さは、回路図が同じでも 出来上がったチップ、特性は、異なる可能性があるということです。全く同じレイアウトは存在しません。ただし、キモとなるポイントや基本は存在するので、 技術者の腕前が問われます。通常、レイアウトを教えてもらった人の色が出るのが特徴です。どこまでこだわってレイアウトするか? 配置、配線まで、細かく指示するのか?、ある程度融通を利かせるのか?など、 要求特性に合わせて、考えていく必要があります。でも無駄に細部までこだわり過ぎて、時間がかかりすぎるのも 問題なので、適切な範囲で煮詰めたいものです。





Contents:今回のポイント

以上今回は、レイアウトに関していろいろ考えてみましたが、やはり、ひとつひとつの技術を少しずつ勉強し、応用していくことが必要だと感じます。

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