Fig.1 CR2次フィルタ回路
<計算>
この回路はいろいろな方法で計算することができます。例えばVinとV1の関係を求め、次にV1とVoutの関係を 計算すれば伝達特性は計算できます。そのまま計算しては面白くないので、
今回はちょっと違う計算方法で求めてみましょう。
上記Fig.1で等価変換を用いて計算します。
上記回路でVinを
とおきます。
そうするとFig.1の回路は以下の回路と等しくなります。
Fig.2 Fig.1の等価変換回路
この式でVxとVoutの関係式を立てます。
これを計算すると
となります。
この式にVxを代入すると
以上より
となります。
上記計算結果は、
です。
2次の基本式より
となります。
Fig.3 Fig.1の回路の周波数特性(C=C2=1uF、R=R2=1kΩのとき)
ゲインは1倍、位相はfpで-90°になり、 最終的に-180°になる特性です。
このフィルタ回路の注意点は、例えばC=C2、R=R2とした場合、ボード線図上で単純に1次CR回路を 2個分加算したものと微妙に特性が 異なるということです。
2個加算した場合
Vout/Vin=1/(1+jωCR)(1+jωCR)より
Vout/Vin=1/1+jω2CR+(jωCR)2
上記Fig.1のように直接直列接続した場合、
Vout/Vin=1/1+jω3CR+(jωCR)2
カットオフ周波数は同じですが、これらは、伝達特性計算結果より、Qファクターが微妙に異なります。従ってゲインの鋭さが微妙に異なります。1次CR回路2個分の特性にしたい場合は
1段目のCRと2段目のCRの間に バッファ回路など、それぞれの段に影響を与えない回路を挿入すればよいでしょう。
今回は、CR直列のフィルタ回路の計算を行い、特徴を考えましたが、それぞれの素子の接続方法により、いろいろな特性が作れるため、見慣れない回路を見たときは、必ず、伝達特性を計算し、特徴を考えるようにするとよいでしょう。
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