<例1>
Fig.1 基本伝達特性1
<解説>
Fig.1は、最も簡単な伝達特性を表しています。入出力の関係は以下の様になります。
Vout=Vin×G1
Vout/Vin=G1
つまりG1という変数に対して VoutはVinのG1倍したものになります。
<例2>
Fig.2 基本伝達特性2
<解説>
Fig.2は、例1を発展させた伝達特性で、入出力の関係は以下の様になります。
Vout=Vin×G1×G2
Vout/Vin=G1G2
つまりG1、G2が直列につながっており、
VoutはVinのG1G2倍したものになります。
<例3>
Fig.3 基本フィードバック伝達特性1
<解説>
Fig.3は、Vout信号をG2を介して入力にフィードバックしています。これがフィードバック制御伝達特性の基本中の基本です。入出力の関係を考えます。ただし今回Vaはマイナスの極性とします。ぱっと見て、どうなっているのか分かりにくいかもしれませんが簡単です。
VinとVaの誤差分がG1倍され、VoutがG2倍されたものがVaになるだけです。
これを式に置き換えてみましょう。
Vout=(Vin-Va)G1・・・①
Va=G2Vout・・・②
①へ②を代入して
Vout=(Vin-G2Vout)G1
Vout=VinG1-G1G2Vout
Vout(1+G1G2)=VinG1
Vout/Vin=G1/(1+G1G2)
この考え方は今後さまざまな場面で使うので必ず覚えておいてください。例えばオペアンプ回路でフィードバックする場合でも同じ考え方です。
<例4>
Fig.4 基本フィードバック伝達特性2
<解説>
Fig.4は、Fig.3より複雑な形のフィードバック回路です。何だこれは、どうなってるの? って思うかもしれませんが実はたいしたことはありません。作者がいつも言っている「回路はすべて基本コンポーネントの組み合わせに過ぎない」という事例に丁度よいかもしれません。なぜなら、回路をよく見てください。loop1と示した回路は
先程のFig.3と同じ形式だからです。先程のFig.3の結果を そのままこの回路に使うことができます。このように一見複雑に見える回路も 基本ブロックが組み合わさっているだけです。では早速先程のFig.3の結果を使って次のFig.5の形に置き換えてみましょう。
Fig.5 基本フィードバック伝達特性2の簡略化
ただしVa、Vbの極性はマイナスとします。
先程の結果を使ってGX=G1/(1+G1G2)とします。
この伝達特性は次の様に考えることが出来ます。
Vout=(Vin-Vb)×G4×Gx・・・③
B Vb=Vout×G3・・・④
④を③に代入して
Vout=(Vin-VoutG3)×G4×Gx
Vout=VinG4Gx-VoutG3G4Gx
Vout(1+G3G4Gx)=VinG4Gx
Vout/Vin=G4Gx/(1+G3G4Gx)
ただしGx=G1/(1+G1G2)
この続きは計算してみてください。
以上の結果より、多重にフィードバックされている伝達特性も 結局は、一つ一つのコンポーネントに分解し、それぞれ合成していけば、式は複雑になるかもしれませんが回路は単純化出来ることが分かると思います。
上記Fig.4の回路例は、実際の回路の応用例で考えると、 一般的なカレントモードDC/DCの伝達ループ特性に近い形です。
今回は、フィードバック制御に関して、伝達特性を考えてみましたが、多重にフィードバックされている伝達特性も 結局は、一つ一つのコンポーネントに分解し、それぞれ合成していけば、ある程度、単純化出来ることが分かると思います。見慣れない回路を見たときは必ず、伝達特性を計算し、特徴を考えるようにするとよいでしょう。
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